掃除には重曹が良いという話を聞き、試してみようと思ってはいるものの。洗剤より費用が高くなっちゃっても嫌だし、でも効果が無いのも嫌。安くて〝使える〟重曹水(重曹スプレー)ってどう作ればいいんだろう?
そんな方のために100円ショップで揃う道具で出来る、重曹水の作り方を写真つきで分かりやすくご紹介します。
1.重曹水を作るために100均で揃えた道具
今回用意する道具からご紹介します。費用を抑えるために100均で調達しますが、すでにお持ちの場合は代用しても問題ないでしょう。それではひとつずつ見ていきます。
1-1.重曹
まずは何といってもコレが無ければ話になりません、重曹です。100均の掃除コーナーなどで売っています。重曹の商品には下記の3種類があるようです。
- 薬用レベル・・・一番精製度が高い。キメ細かい
- 食用レベル・・・薬用の次に精製度が高い。キメは少し粗い
- 掃除用レベル(工業用)・・・精製度が低い。キメが粗い
引用 (c)雑学王リサーチくん http://kireinasekai.com/juusou/
それぞれ精製度(純度)に違いはあるようですが100均で置いてあるものならば、どれでも構いません。重曹の注意点については後述します。
1-2.空のスプレーボトル
次に空のスプレーボトルを買います。もちろん100均で売っています。僕が行ったお店では化粧品コーナーに置いてありました。100ml以上入る物を買うと良いでしょう。
余談|今回買った190mlボトルにちょうど190mlの水を入れると、どのくらいの水位になるのか
余談ですが、毎回計量カップで量るのも何だかめんどくさいかと思います。今回買ったスプレーボトルは190ml入るようですが、では実際に190mlの水を入れるとどこまでになるのか試してみました。
表示のあった190mlの水を注いでみると、口に向かってちょうど丸くカーブしはじめる位置まで入りました。今回は190mlでしたが、このようにいつも入れる量がどこまでかを知っておくと、毎回計量カップを使わなくても良いかもしれません。
1-3.小さじスプーン
重曹を測るための小さじスプーンがなければ買っておきましょう。5グラム測れる物がちょうど良いです。5g=5cc=5mlなので、とりあえず5と書いてあれば確実です。
1-4.漏斗
スプレーボトルの注ぎ口は小さいので、漏斗(ろうと)があると便利です。もちろん100均で売ってます。折りたたみ式の漏斗があるそうですが、使いにくいというレビューを見た事があります。普通の物が良さそうです。
1-5.計量カップ
水を測るための計量カップも用意できれば尚良いです。これまた100均でも売っています、便利ですね。お店によっては「上から見ても分かる計量カップ」というのがあるらしく、便利だと評判になっています。これを機会に買ってみても良いですね。
1-6.掛かった費用まとめ
さて、道具が揃いました。今回僕が用意した道具と掛かった費用のまとめです。
道具 | 費用(税抜) |
重曹 | 100円 |
空のスプレーボトル | 100円 |
小さじスプーン | 0円(代用) |
漏斗 | 0円(代用) |
計量カップ | 0円(代用) |
合計 | 200円 |
重曹とスプレーボトル以外は家にあったので代用。水は水道水をそのまま使います。ここには書いていませんがそのまま掃除をするなら、ついでにスポンジや布も100均で買っておくと手間が省けます。
2.重曹水の作り方手順
さて、道具が揃ったところで重曹水を作ります。作り方自体はカンタンですが、少し注意しておきたい事もありますので順に見ていきましょう。
手順1.スプレーボトルに掃除で使う量の水を入れる
まずは一回のお掃除で使い切れる量の水を計量カップで測り、スプレーボトルに入れましょう。今回僕は150mlで作りましたが、お風呂の天井を掃除しても半分くらい残りました。100mlでも充分な量だと思います。
手順2.水に対して重曹を5%ほど入れる
スプレーボトルに漏斗を差し、小さじスプーンで測った重曹を入れます。水に対して大体5%くらいの重曹を入れます。
水 | 重曹 |
100ml | 小さじ1杯(5g) |
200ml | 小さじ2杯(10g) |
手順2-1.水の温度には気をつける
加熱した水溶液(重曹水)は65℃以上で水と二酸化炭素と炭酸ナトリウム(別名「炭酸ソーダ」「炭酸塩」「ソーダ灰」)に分解し、炭酸ナトリウムにより強アルカリ性を示し、危険性が増します。加熱の際は、およそ50℃以上から注意が必要です。
引用 (c) All About http://allabout.co.jp/gm/gc/39945/
上記のように65度以上の水に重曹を溶かした場合、重曹が熱で分解されて「炭酸ナトリウム」が出てきます。溶かした水の性質も弱アルカリ性から、アルカリ性に変わります。徹底して掃除をされたい方には良いかもしれませんが、気軽にお掃除に使えるのが重曹水のメリット。常温の水で溶かすようにしましょう。
手順3.キャップを閉めてよく振る
重曹を水に入れたらスプレーボトルにフタをして、重曹が溶けるようによく振ります。
手順3-1.重曹が水に溶ける量について
重曹が水に溶ける濃度は8%のようです。はじめ「まぁそんなに気にしなくてもいいか」と思い、試しに水150mlに対して重曹を小さじ2杯(10g)入れてみました。割合としては6%ほど。すると底の方には溶け残りが。
冬の冷たい水道水を使ったので温度が低かったのもあるかもしれません。しかしどうやら重曹は水に溶けにくいようです。見た感じすぐ溶けるのは5%くらいだと感じました。他サイトの作り方でも100mlに対して小さじ1/2〜1くらいに書いてあるので効果に支障はないでしょう。
手順4.完成
重曹が混ざったら完成です。汚れたところに直接吹き付けたり、布などにスプレーして拭き掃除をしてみましょう。今回使ったスプレーボトルは透明のため、重曹水だと分かるようにシールを貼るなどしておくとGOOD。
- 家族が間違って何かに使ってしまう
- 自分でも間違って何かアクシデントが起きてしまう。
このような事を防ぐ事が出来ます。
3.重曹水の効果・注意点
ここまで重曹水の作り方を見てきました。次は重曹水の効果や注意点についてご紹介します。
3-1.重曹水は油汚れなど酸性の汚れに効果を発揮する
重曹水は弱アルカリ性の性質を持っています。油汚れやカビ・ヌメリなど大抵の汚れは酸性のため、効果があります。重曹水をスプレーして掃除しても効果が薄い場合には以下の対応をすると解決するかもしれません。
- 重曹スプレー後にラップをし、よく浸透させる
- ボールなどに重曹水を溜めて、つけ置きする
- 重曹を直接、あるいはペースト状にしてつけておく
3-1-1.鏡の水垢などには効果が薄い
鏡の水垢はアルカリ性の汚れです。重曹水では効果が薄いでしょう。その場合はクエン酸水など酸性のものを使いましょう。ただし酸性のものは金属に使うとサビの原因になりますので、また別に注意が必要です。
3-1-2.頑固な汚れには重曹水自体の効果が薄いケースも
重曹水は確かに弱アルカリ性ではありますが、pH(ペーハー)は8~8.5。これはかなり弱い数値です。pHが高ければ良いというわけではありませんが、頑固な汚れでは重曹水自体の効果が薄いケースも多いでしょう。
※注記:pH(ペーハー)とは、水溶液の性質を表す単位のことです。1~14まであり、中性が7。14に近づくにつれアルカリ性に。逆に1に近づくと酸性になります。
3-1-3.お風呂ではカビ掃除に効果があった
今回ご紹介したやり方で作った重曹水を使い、実際にお風呂の天井を掃除してみました。
- 水道水
- クエン酸水
- 重曹水
以上3つを使い、順に効果を測った中でやはり重曹水が一番効果的でした。風呂ログでは今後重曹・クエン酸を使ったお風呂掃除にも挑戦し、効果を確かめていきたいと思います。
3-2.重曹水を使う時の注意点
最後に重曹水を使う時の注意点です。おそらく大抵の重曹商品の裏などには書いていますのでよく読んでおきましょう。
3-2-1.アルミ・漆・木や畳には使用しない
アルミに重曹水を使うと変色の恐れがあります。また漆では痛む、木・畳では黄ばむこともあるようです。使用しないように気をつけましょう。
3-2-2.皮膚の弱い人はゴム手袋をする、目に入ったら綺麗な水でしっかりと洗い流す
上で書いた「漆が痛む」という理由は、重曹に研磨作用があるからです。皮膚の弱い人は手についてこすると荒れてしまうかもしれませんので、ゴム手袋をつけましょう。また目に入った時もこずらず、綺麗な水で洗い流しましょう。
3-2-3.65度以上の水で溶かす時は注意する
“手順2-1.水の温度には気をつける”でも触れましたが、重曹は65度以上の水に溶かすと炭酸ナトリウムが出てきます。重曹水のpH8~8.5から、pH11~12にまで跳ね上がります。ゴム手袋をつけたり、やけどをしないように注意したりと、しっかりと対策をした上で使う分には良いかもしれません。しかし何も知らずに「お湯を使えば溶けやすいだろう」と考えるのは少し危険です。注意しましょう。
4.まとめ
手軽に使える重曹水は、今回ご紹介したように作り方もカンタンです。ちょっとしたポイントさえ注意すれば大丈夫。ぜひマネして作ってみてください。