昔ながらの在来浴室やちょっと前のユニットバスでは、壁や床にタイルが使われていたりします。タイルは陶器製ですので汚れに強く、耐水性もよいのでキレイさを保ちやすいです。
ですが問題となるのはタイルの目地。目地はカビにやられやすく、放っておくと真っ黒になることも珍しくありません。汚れをなんとかするためにリフォームも検討しようかと迷っている方もいらっしゃいます。
そんな時に試す価値があるのが「ゴムパッキン用カビキラー」。
カビを一瞬で溶かすカビキラーをジェル状にした、まさしくタイル目地やゴムパッキンに使うのに打ってつけの商品です。本記事ではカビに浸食されているタイル目地に「ゴムパッキン用カビキラー」を使ってキレイにした実際の手順をご紹介。カビキラーは強力ではありますが毒性もあるため、本記事を読んでポイントを抑えつつ目地の色を取り戻すヒントを掴んでください。
目次
1.「ゴムパッキン用カビキラー」を使ってタイル目地を掃除するための道具
まずは今回ゴムパッキン用カビキラーを使って掃除した際の道具をご紹介します。
道具1.ゴムパッキン用カビキラー
まずは当然「ゴムパッキン用カビキラー」を用意します。普通のカビキラーと違ってジェルタイプになっており、狙った場所にピンポイントにつける事が可能です。ジェルになっている事で、つけたところに留まり浸透しやすいという特徴があります。
ただ、ゴムパッキン用カビキラーは、普通のカビキラーよりも売っているところは少ないかもしれません。今回筆者は近くの東急ハンズで453円で売っていたのを3本購入しました。Amazonでも売られているようですので、ご自身の生活圏で見つけられない時は通販を検討しましょう。
道具2.ゴム手袋
ゴムパッキン用カビキラーは強力なため、自分の手についてしまうと怖いです。ゴム手袋をしっかりはめて掃除に臨みましょう。今回使ったのは100均で買ったモノ。何でもいいのでゴム手袋は用意しておきましょう。
道具3.ラップ
ゴムパッキン用カビキラーはジェルタイプだとはいっても、壁に使った時は垂れます。しっかりと浸透させるためにラップを用意して、カビキラーをつけた後に上から被せるために使いました。これもゴム手袋と同様に100均で調達。代用品としてトイレットペーパーでも良いかもしれません。ひと手間加えることで効果が変わります。
道具4.防毒マスク
なんだか大げさのように思われますが「防毒マスク」はなかなか便利です。実は筆者は一度カビキラーを使って掃除した時に気分が悪くなったことがあります。そこで今回は念のため防毒マスクを購入しました。
ホームセンターに行っても見当たらなかったため、Amazonで購入。ちなみに写真のマスクは「TRUSCO 塗装マスク」という商品です。品番はDPM-77TM。価格は1645円でした。
道具4-1.今回買ったマスクには吸収缶がセットになっていた
吸収缶とは有毒なガスを吸収してくれるカートリッジです。大抵はこの吸収缶が別売りだという事もあり、今回実は単品でそれを買っていました。
ですが上でご紹介した「TRUSCO 塗装マスク」(品番DPM-77TM)には吸収缶がセットになっていました。もしかしたらマスク単体だけでセットでない物もあるかもしれませんので、購入する時はセットかどうか確認すると良いでしょう。
道具5.掃除する時の服装(長袖)
カビキラーを使う時は念のために長袖を来ておくと、何かの拍子に飛び跳ねて付いても防ぐことができます。
道具6.ゴーグル
長袖と同じく、何かの拍子に飛び跳ねて目に入らないとも限りません。ゴーグルも着用したいところです。
※追記
後日、浴槽のエプロンを外して浴槽の内部を普通のカビキラーで掃除してみました。この記事の時は気付かなかったのですが、普通のカビキラーを大量に使っていると防毒マスクをしていてもかなり目がシパシパしてきました。目が弱い(?)など気になる方はやはりメガネではなくゴーグルをつけた方が良いです。ご参考まで。
エプロン、浴槽内部の掃除については以下の記事を参考にどうぞ。
道具まとめ|今回用意した道具の費用
さて、今回用意した道具の費用をまとめてみます。
道具 | 価格 |
ゴムパッキン用カビキラー | 453円×3本 |
ゴム手袋 | 108円 |
サランラップ | 108円 |
防毒マスク | 1645円 |
掃除する時の服 | 0円(自前) |
ゴーグル | 0円(メガネで代用) |
合計 | 3220円 |
マスクが費用の半分を占めてますが、使った印象で「買ってよかった」と感じました。付けていると全くカビキラーの匂いがせず快適です。
ゴムパッキン用カビキラーもAmazonで安く買って、ゴム手袋とサランラップを家にあるもので済ませると、もう少し節約できそうです。
2.ゴムパッキン用カビキラーを使う時の注意点
商品として売られているゴムパッキン用カビキラーですが、れっきとした薬品なので使う時にはいくつか注意が必要です。
- 体調がすぐれない方や、心臓病・呼吸器疾患などがある方は使わない
- 浴室の換気をしっかりと行う
- ゴム手袋やマスクなど防護を怠らない
- 長時間に渡って使用しない
- 入浴中には使用しない
これらはしっかりと守った方が良いでしょう。前述しましたが、筆者も一度気分が悪くなった経験があるので防毒マスクはあった方が良いです。
念のために他の洗剤は同時に使わない
カビキラーは塩素系の薬品なので、酸性タイプと混ざってしまうと有害なガスが発生してしまいます。「酸性タイプでなかったら一緒に使って良いか」というと、それも微妙なところです。筆者含め普通の一般人は薬品に関して素人なので、万が一がないとは限りません。
念のためにカビキラーなど強力な洗剤を使う時は、他の洗剤などは同時に使わない方が良いでしょう。しっかり洗い流すのはもちろん、洗剤は1日1種類と決めれば安全性が増します。
3.ゴムパッキン用カビキラーでカビに浸食された浴室のタイル目地をキレイに掃除した手順
では実際に掃除の手順をご紹介していきます。今回掃除した浴室は壁4面と床がタイルだったため、何回かに分けて綺麗にしていきました。
手順1.カビキラーをつけるところはしっかり水気を拭きとる
洗剤を使う時のセオリーですが、水分が残っているとカビキラーの効果が弱まってしまいます。掃除を始める前に、まずは綺麗にしたいところの水分をしっかりと拭き取っておきましょう。
手順2.カビキラーを使う時はしっかり換気を行う
カビキラーは塩素系の薬品です。使用上の注意にあるように必ず換気を良くしましょう。
- 浴室に窓があるならば、しっかり開ける
- 浴室の換気扇を回す
- 浴室だけでなく、部屋の窓もあける
2箇所を開けることで空気の流れができて、換気がスムーズになります。そして換気だけでなく防毒マスクも装着してください。
注意点|一度に多くの箇所を掃除するのは避ける
一度に多くの箇所を掃除すると長時間の使用で気分が悪くなる可能性が高くなります。日を分けて、今日は壁一面、その次はその横の壁一面など少しずつ行うと良いでしょう。
手順3.ゴム手袋をつけ、タイル目地に直接ゴムパッキン用カビキラーをつけていく
ゴム手袋、防毒マスクなどを装着してから臨みましょう。綺麗にしたい目地に沿ってカビキラーをつけていきます。つけた瞬間からみるみる綺麗になっていくところもあり、カビキラーの強力さがハッキリ分かります。
床の場合はカビキラーもその場に定着しやすく、ラップなしでも何とかなるかもしれません。壁につけた時には今回使っているゴムパッキン用カビキラーがジェル状だとしても、重力には逆らえずに垂れてきます。カビがしつこそうなところにはラップで覆うとより浸透させることが出来るでしょう。
手順4.1時間ほど放置した後、カビキラーを充分に洗い流す
カビは表面だけでなく素材の奥まで根をはっています。カビキラーを目地につけた後はすぐにこすらず、浸透させるために30分~1時間くらいはそのままにしておきましょう。そして頃合いを見て、充分に洗い流します。洗い流した後もカビが目立つようであれば、軽めにこすったり、次回もう一度カビキラーを使いましょう。
ゴムパッキン用カビキラーの効果|綺麗になってタイル目地の色までハッキリ分かる
カビキラーをつけたところと、つけていないところの差です。左側の目地がカビキラーをつけてシャワーで流しただけの状態。カビが綺麗に消え去り、つけていないところとの境目がハッキリと出来ています。さすがカビキラーというだけありますね…!
4.タイル目地にまた汚れがつく期間|再度「ゴムパッキン用カビキラー」で掃除した時の効果
浴室のタイル目地をゴムパッキン用カビキラーで掃除して、頑固なカビは多少残ったものの、かなり綺麗になりました。
綺麗になった目地を眺めながら、ふと気になったのは「いったいどれくらいでまた汚くなるんだろう」という事でした。そこで最後に、また汚れがつくまでの経過と再度掃除した時の効果もレポートしてみました。
4-1.床のタイル目地は2ヶ月ほどで汚くなってきた
さて、今回目地の素材の色までハッキリ見えるくらいに綺麗に出来たわけですが、やはり床はかなり汚れがつきやすいようです。
ピカピカにしてから2ヶ月ほどでオレンジ色の垢や石鹸カス、カビがまた目立ってきました。床には体を洗った時の汚れその他が直接掛かりますからね、仕方ないのかもしれません。
対して壁の目地はあまり変わらず。掃除をしてから半年経っても「ちょっとカビがついてきたのかな…?」くらいでした。汚れるまでのスパンは浴室の使用の仕方や頻度によるでしょう。ちなみに今回掃除した浴室は家族2人で使っているお風呂です。
4-2.またゴムパッキン用カビキラーで掃除したらタイル目地はすぐ綺麗になった
1度目の掃除から半年が経過し、写真の右上らへんを見て分かるとおり床のタイル目地もまた汚れてしまっていました。写真左下半分の綺麗なグレーの目地は再度掃除した結果です。
また掃除をすることで綺麗な状態を維持できるようです。毎回カビキラーを使うのではなく、軽めの掃除でメンテナンス出来るように継続して効果的な掃除方法を試してみたいと思います。
5.まとめ
浴室のタイル目地は細かい箇所ですが、素材の色が甦るまで綺麗にすることで浴室全体の印象も良くなります。本記事でご紹介したゴムパッキン用カビキラーを使えば、タイル目地は他の箇所よりも比較的掃除がしやすいでしょう。
浴室の目地、ゴムパッキン、コーキングの黒ずみでお悩みの方は、是非この記事を参考に掃除をしてみてください。その際は本記事でご紹介した防毒マスクをつけると安全です。