ユニットバスが汚れてきた、劣化してきたから塗装で綺麗にしたい。そう考えておられる方、ちょっとお待ちください。
実はユニットバスの塗装は「プロのリフォーム屋さんでも剥がれて、保証できずに逃げ出す業者がいる」ほど難しいとご存知ですか?
つい最近もホテル経営者様から「塗装してもらったユニットバスが100室単位で剥がれている」というご相談をいただきました。費用でいえば、確実に1,000万円以上の被害です。
そういったことを知らずに、そして知ったとしても「まぁ自分は塗装したことあるし大丈夫だろう」と挑戦し、見るも無残な状態にしてしまうことも少なくありません。そうなると、そこからプロに頼むにしても塗装を剥がす費用が掛かってしまったり、最悪は施工できませんと断られるケースもあります。
そこで本記事では、浴室再生塗装のプロである浴室再生職人会が“ユニットバスの塗装”について解説します。プロに頼む方も、自分でしようと思っている方も、まずは塗装を始める前に最低限確認をするべきことを、この記事で一緒に確認をしていきましょう。
目次
- 1.ユニットバスを塗装する時の塗料は何が良いか知っているか?
- 2.自分でやろうとしている場合、ユニットバスを塗装する難易度を理解しているか?
- 3.ユニットバスの塗装(コーティング)には主に2種類ある事を知っているか?
- 4.浴槽は入れ替えられない状態なのか?
- 5.その塗装しようとしている浴槽の種類は何なのか?
- 6.浴槽の状態はどうか?
- 7.タイル(陶器類)やモルタルを使っている部分はないか?
- 8.ユニットバスのひどい汚れを何とかしたいだけなのか?
- 9.ユニットバスでサビが発生しているところはないか?
- 10.今のユニットバスはどこのメーカーの物なのか?
- 11.今のユニットバスは何年前くらいの物なのか?
- 12.塗装をするのは3点式ユニットバスなのか?
- 13.賃貸で借りている物件のユニットバスを塗装しようとしていないか?
- 14.ユニットバスの塗装をプロに任せる場合は良い業者の見分け方を知っているか?
- まとめ
1.ユニットバスを塗装する時の塗料は何が良いか知っているか?
ご自身で塗装しようとしている方は恐らくこれが一番気になっているのではないでしょうか。 ユニットバスにはどういう塗料が良いかのお話です。
1-1.ユニットバスにはアクリルウレタン樹脂塗料
アクリルウレタン樹脂塗料は車の板金塗装でも使われる塗料です。ユニットバスの浴槽などは大半がFRP(エフアールピー)と呼ばれる素材で出来ています。その素材と相性の良い塗料がこのアクリルウレタン樹脂です。
1-1-1.ヨット用、車用の塗料では耐熱性が乏しい
しかしアクリルウレタン樹脂塗料と言っても用途は様々。ユニットバスはお湯が掛かり絶えず熱に晒されるところです。ヨット用や車用などはユニットバス塗装で重要な耐熱性が付いていない事が多く、代用する事が難しい可能性があります。
1-1-2.ホームセンターで売られている浴室用塗料はモルタルの壁用
たまにホームセンターで置かれている浴室用塗料でユニットバスを塗装しようと考えている方がいます。ですがよく商品の用途欄を見てみてください。確実に「ユニットバスや浴槽には適しません」と書いてあるでしょう。そう、浴室は浴室でも壁のモルタルなどを塗装することを想定した物なのです。
1-2.ユニットバス塗装に使える塗料を個人が手に入れる事は難しい
そしてユニットバス塗装に使える塗料を個人へ販売しているところはほんの一握りです。大抵は海外で生産された一般に出回らない業務用か、日本で独自に開発された専用塗料でしょう。
1-2-1.手に入れられる塗料でも「自己責任で」との注意書きが
さらにもしユニットバス向けの塗料を手に入れられるとしても問題があります。そもそもユニットバスは塗装が高難度の箇所です。塗料が手に入ったからといっても結局は塗装を行う人の技術が物を言います。塗料を販売している側も塗装が難しいことを理解しているので「自己責任でお願いします」と綿密に書いてあるところがほとんどです。
2.自分でやろうとしている場合、ユニットバスを塗装する難易度を理解しているか?
前の項でも触れましたが、ユニットバスは元々塗装をするのが難しいところです。
今はインターネットの時代。普通なら大抵の知識はネット検索で調べれば充分なくらい出てきます。ですがユニットバスを塗装する正しいやり方が書いてあるページはほとんどありません。質問サイトなどの回答で挙げられているユニットバスを塗装するための塗料の種類であったり道具であったりは、ユニットバスをほとんど塗装したことのない方が挙げた物や、想像に過ぎない事が多いでしょう。もちろんプロが回答している事もあります。ですが正しいかどうかの判断自体できる方が少ないはず。
曖昧な情報を鵜呑みにし、生半可な知識と技術でユニットバスを塗装してしまうと痛い目にあってしまいます。あなたは本当にユニットバスを塗装する正しいやり方と、その難度の高さを理解できているでしょうか? この風呂ログはユニットバス再生塗装のプロである浴室再生職人会が運営しております。もしユニットバス塗装の難しさについてご存じない場合は後日公開予定の記事、「浴槽塗装の全工程とプロに任せた方が良い8つの理由(仮)」を読んでから判断しても遅くはありません。
3.ユニットバスの塗装(コーティング)には主に2種類ある事を知っているか?
ユニットバス塗装の業者を調べている時。パッと見は同じような塗装に見えるのに「この業者はなんでこんなに安いんだろう」と思うほど業者間で費用差があり、混乱する場面がよくあります。それはもしかすると塗装の内容自体が違うからかもしれません。
実はユニットバスの塗装には大きく分けて2種類あることをご存知でしょうか? これをハッキリと判断できる人はなかなかいません。知っておいて損はしませんので確認してみましょう。
3-1.ユニットバスを再生させる目的の塗装
この記事でお話ししている「ユニットバスの塗装」とはコチラに当たります。「ユニットバスを再生させる目的の塗装」です。
アクリルウレタン樹脂塗料というユニットバスに相性の良い油性塗料を塗装する事で、まるで新品のように甦らせる技術を指します。特徴は主に以下の3つ。
- 色を変えられる
- キズやヒビ割れにも対応できる
- 表面を塗装するので新品のように甦る
費用相場は浴槽のみで10万円前後、ユニットバスまるごとで10万円~20万円といったところです。
3-2.ユニットバスを汚れから保護する目的の塗装
こちらは防カビコーティングやクリアコーティング等と呼ばれています。「ユニットバスを汚れから保護する目的の塗装」です。
フッ素系樹脂、その他樹脂、ガラス系(無機質物)などでユニットバスをコーティング。表面を透明な膜で覆うため、防カビ効果がグンと高まり綺麗な状態を保つことが出来ます。特徴は以下の3つ。
- 肌触りが良くなり、汚れにくくなる
- 透明なため、色は変えられない
- 色褪せ、ヒビ割れなど劣化したユニットバスを再生させる事は出来ない。
費用相場はユニットバスまるごとコーティングで3万円~6万円ほど。フッ素系樹脂やガラス系など何を塗布するかでも値段は変わりますので、同じ業者でもコースによって異なります。
この2種類の塗装業者のホームページが「ユニットバス塗装」「浴室コーティング」などのキーワードで重なって出てくるために、知らない方は混乱してしまうのです。
- 長年使用して、老朽化やクリーニングでは取れない汚れを何とかしたいなら「再生の塗装」
- 新品に近い、あるいはまだ使って10年以内ほどのユニットバスを綺麗な状態で保ちたいなら「保護の塗装」
が良いでしょう。
この2種類についてより詳しく知りたい方は最低限把握すべき浴室コーティングの異なる2つの種類も参考にしてください。
4.浴槽は入れ替えられない状態なのか?
実は浴槽の塗装だけをプロに頼む費用と、浴槽をカンタンに入れ替えられる場合の費用はあまり変わらない時があります。その場合そもそも塗装をせずとも、浴槽を入れ替えてしまった方がメリットが大きいこともあり得ます。あなたのユニットバスの浴槽が「入替のメリットがありそうか」をチェックしていきましょう。
4-1.浴槽が据置式のユニットバスか?
「浴槽が据置式」とは読んでそのまま、浴槽がポンと置かれている状態のことを指します。据置式であれば浴槽をカンタンに取り外せる状態になっており、浴槽だけの入替が可能です。
もし主にユニットバスの浴槽を何とかしたいと思って塗装を考えている場合。この据置式の浴槽なら入替をしても費用が安く済むケースがあります。入替も検討してみましょう。
4-2.浴槽が壁や床などと一体化しているユニットバスか?
もし浴槽が壁や床などと一体化してしまっている場合、浴槽のみを入れ替えるという選択肢はありません。その場合は考えられる対応策は以下の3つ。
- ただ汚れているだけならクリーニング
- クリーニングでは対応できない場合は塗装やFRPライニングで再生させる
- いっそのことユニットバスをまるごと入れ替える
ユニットバスの浴槽が一体化している場合は塗装をするメリットが増すでしょう。
5.その塗装しようとしている浴槽の種類は何なのか?
次に確認したいことは浴槽の種類です。塗装にも得手不得手があります。ユニットバスであったとしても浴槽の素材によっては塗装が向かない可能性もあります。
5-1.塗装がしやすい素材
塗装がしやすい素材とは以下の2つです。
- FRP(エフアールピー)
- 人造大理石
この2種類であれば塗装が施しやすく、塗装面の耐久年数も長くなるでしょう。
5-2.塗装がしにくい素材
- ホーロー
- ステンレス
しかし上記2つの場合、塗装は途端に難しくなります。ホーローは状態にもより、追焚きするホーロー浴槽の場合は塗装するリスクが高くなります。
ステンレスは浴槽塗装の中では1番難しく、過去に剥がれてトラブルに発展した例が多いためオススメ出来ません。
5-3.塗装が出来ない素材
- ポリ
- 木材(ヒノキなど)
本記事はユニットバスを前提にしているためポリと木製の浴槽は無いかと思いますが、念のため。
ポリは素材的に塗料との相性が悪く、塗装することが出来ません。木材も同上です。この2種類は塗装での再生は諦めざるを得ません。
6.浴槽の状態はどうか?
もう少し浴槽で確認する事が続きます。3つ目のポイントは「ユニットバスの浴槽の状態はどうなのか?」という事です。
6-1.FRPの浴槽がざらざらしていないか?
FRP浴槽の表面がざらざらしてきている場合、すでに塗装の表面が荒れてしまっています。これは塗装面が磨耗して薄くなり、その下の素材の毛羽立ちに負けてしまっているためです。浴槽の素材がFRPであれば、ほとんどの場合「FRPライニング」という技術で再生が可能です。
6-2.浴槽にヒビ割れや穴などはないか?
浴槽にヒビ割れや穴などが空いている場合、さらに状況は悪化します。これがFRP浴槽の場合はよっぽど大きい穴でない限り、再生できる可能性が残されています。
しかしその他の素材で損傷が激しい場合、塗装以前の問題で再生も出来ない可能性があります。その時は新品に入れ替える他ないでしょう。
6-3.浴槽の塗装が剥がれてきてはいないか?
表面に水ぶくれが出来たりして、塗装が剥がれてきてはいないでしょうか。そんな箇所をご自身で塗装するのはやめた方が良いでしょう。元々の塗装の付着が甘いので、ちょっと塗装してもすぐに剥がれてくる可能性が高いです。一旦表面をすべて研磨し、しっかりと塗装し直す必要があります。
6-3-1.ユニットバスで塗装剥がれが起こる原因
- 商品といえど元々素材がステンレスなど塗装に向かない物で付着が弱かった
- 前にプロに塗装してもらったが、塗料と相性が悪い素材なのでいずれは剥がれると言われていた
- FRP浴槽なのに前に塗装した業者のツメが甘かったために付着が弱かった
そのような原因で剥がれることが考えられます。実のところFRPなど相性の良いユニットバスにしっかりと塗装を行った場合、剥がれるという現象は起きないはずなのです。塗料が融合するように素材と完全にくっつくため水や空気が入る隙間がないからです。ステンレスやホーローなどの場合は塗装の付着が弱い事は充分に考えられますが、FRPで剥がれたという事は業者がミスをしたと考えざるを得ません。
7.タイル(陶器類)やモルタルを使っている部分はないか?
ユニットバスであっても意匠として壁や床にタイルを使っている物があります。また、壁の下半分からはFRP製のユニットバスで、その上はモルタルというケースもあるでしょう。(俗に言うハーフユニット)
7-1.タイルや陶器製の物の塗装
タイルは陶器であるために塗料の付着が強くありません。そしてすでに目地がボロボロの場合には、塗装をしたとしても目地自体が取れてしまうと元も子もないでしょう。そのため塗装はあまりオススメ出来ません。
しかし浴室の壁は使用による劣化が少ない箇所です。そのため丁寧に扱う事を前提にすれば、浴槽に比べて塗装が剥がれる可能性は低いでしょう。
7-2.モルタルの塗装
厳密に言うとモルタルを使用している浴室は
- 壁より下半分がFRP製のハーフユニット
- 壁より下もモルタルか、タイル貼りの在来浴室
上記2種類になるのでユニットバスとは言えません。ですがひと昔前の浴室ではよく使用されていた素材ですので解説します。
結論を言うとモルタルの壁には、耐水に優れた綺麗な塗装は出来ません。綺麗にしたいのであれば、いっそユニットバスに入れ替えるかパネルを貼る、あるいは普通の塗料で塗装する必要があります。モルタルは外壁などでも使われている素材です。1-1-2.でお話ししたホームセンターで売っている浴室の壁用塗料を使ってご自身で塗装する事も出来ます。
※本来ユニットバスの塗装ではスプレーガンの使用が大原則で、ハケやローラーは御法度です。ですがモルタルを塗装する時はローラーでも大丈夫。
8.ユニットバスのひどい汚れを何とかしたいだけなのか?
ユニットバスのひどい汚れを何とかしたいだけならば、塗装ではなくクリーニングだけでも対処できるかもしれません。クリーニングは案外侮れず、かなり汚いユニットバスであっても綺麗に出来るケースがあります。クリーニングは綺麗にする手段の中では1番費用が掛からないため、汚れが気になる方はまずはじめに検討してみると良いでしょう。
8-1.クリーニングの苦手分野
しかしクリーニングで対応できないケースもやはり多いです。
- 薬品で取れないほど染み込んでしまった頑固な汚れ
- 物理的な劣化(ヒビ割れや色褪せ、穴など)
上のような問題ではクリーニングだけで解決する事はできないでしょう。
8-2.汚れたユニットバスをクリーニングで綺麗にした後も注意
相当な汚れをクリーニングして綺麗にした後は注意が必要です。ユニットバスに汚れが付着するそもそもの原因として挙げられるのが、表面の劣化。
ユニットバスの塗装の表面には目に見えない凹凸があり、それが大きくなって溝になる事で その隙間に汚れが溜まってしまうのです。元々かなりの汚れがあったという事は、すでに凹凸が大きいはず。さらにクリーニングによって表面の荒れが激しくなる可能性が高いです。そうな ると一度クリーニングで綺麗になったとしてもまたすぐ汚れが付いてしまうかもしれません。
そういった場合は表面を新品の状態にしない限りは根本的な解決に繋がらないため、塗装や入れ替える事が有効です。
9.ユニットバスでサビが発生しているところはないか?
塗装するしないに関わらずサビを放っておくとユニットバスだけでなく、建物自体にまで影響が及びます。「ウチはサビなんて無いよー」と思わず、よく読んでチェックしてください。
9-1.壁の膨らみはサビの兆候
ユニットバスの壁にこんな膨らみが出来ていないでしょうか? 実はコレ、すでに壁の中でサビが発生しているのです。このまま放っておくといずれ目に見えてサビが広がり、隙間から漏れ出てきます。
9-2.サビが出来る原因と建物にもたらす悪影響
そもそも壁の中でサビが出来る原因は、壁の中に金属の板が入っているからなのです。壁の中にこもった水分が下の方に溜まり、金属が錆びるために発生します。
今のユニットバスでは壁に金属が使われている事は少ないですが、十数年以上前のユニットバスではよく使われていました。金属であっても質の良い物であればサビを寄せ付けませんが、そこまでの物をユニットバスに使う事はまれです。一応こうした部分的に出来たサビを補強する事は可能なのですが、本当に解決するためには浴室をまるごとユニットバスで入れ替える必要があります。
サビが発生した部分を放っておくとそこから水気がどんどん入り込み、水漏れを起こしてしまう可能性があります。そうなるとユニットバスだけでなく建物自体に悪影響を及ぼすでしょう。費用が許せるなら入替を検討すると良いでしょう。
10.今のユニットバスはどこのメーカーの物なのか?
次に確認しておきたいのが今お使いのユニットバスがどこのメーカーの物なのか。
10-1.破損して塗装が難しいパーツの在庫を探す事が出来る
長年の使用で、排水口のフタやその他の細かいパーツが破損してしまっている事があります。
そんな時に今のユニットバスのメーカーを把握しておけば、その壊れたパーツだけを取り寄せる事が出来るかもしれません。新品の備品を手に入れられるならば、塗装するよりも手間が掛かりません。
10-2.一部のセキスイのユニットバスを塗装する時は水はけの悪さに注意
さらに塗装しようとしているユニットバスがセキスイ製の物であれば注意が必要です。一部のセキスイのユニットバスは壁などにコーキング(防水材)がよく施されています。コーキングがしてあるという事はイコール、水の入り込む隙間があるという事。
塗装をする時はコーキングを完全に除去して水洗いをします。そうすると当然その隙間にも水気が浸透するので、塗装をする前によく乾燥させなければいけません。でなければ塗装の下に水分が残ってしまい、剥がれの原因となってしまいます。
セキスイ製ユニットバスでは水はけの悪さに気をつけましょう。
11.今のユニットバスは何年前くらいの物なのか?
恐らく塗装をしようと思うくらいですから今使っているユニットバスはある程度の年数が経過して劣化しているのだと思います。実際にどの程度前のユニットバスなのかを確認しておくと役立ちます。
11-1.20年以上前のユニットバスでは同じ商品がメーカーに残っていない可能性がある
- 塗装をするには損傷が激しすぎる
- 浴槽が起き式で入替が比較的カンタン
といったケースの場合、塗装ではなくユニットバスまるごとか浴槽だけの入替も検討する事になります。
ここで問題となるのが、メーカーに今使っているユニットバスと同じ規格の在庫が残っているのか。まだあまり年数の経っていないユニットバスの場合は在庫がある可能性があります。
ですが20年以上前のユニットバスとなってくるとかなり前の商品ですのでメーカーでさえ持っていない事がほとんど。そうなると違う浴槽のサイズやユニットバスで入れ替える事が必要になるかもしれません。
11-2.ユニットバスを基準に工事する故の落とし穴
では浴槽やユニットバスのサイズが違うと一体何が問題となってくるのか。それはすっぽり収まるサイズが見つからない可能性が高いという事です。
ユニットバスは元々出来上がっていたり、現場で効率よく組み立てられるように設計された商品です。ですので新築でユニットバスを入れる時は、柱や壁もユニットバスを基準に合わせて作られる事が多いのです。
それ故に困るのが、リフォームをする時。全く同じサイズのユニットバスが無い場合、大きいサイズならほぼ確実に壁を取り壊さなければ上手く入れ替えるが出来ません。壁を壊さなければ一回り小さなユニットバスを入れる事になるでしょう。浴槽も同様に、キッチリ収まる同じサイズの物が無ければ取壊しか、小さくするかの選択を迫られます。
このようにもしメーカーに在庫が残っている可能性の少ない20年以上前のユニットバスの場合であれば、塗装で再生させるメリットがあるでしょう。
ユニットバスのリフォームを検討したい時にはユニットバスのリフォームで失敗しないための17つのポイントも参考にしてください。
12.塗装をするのは3点式ユニットバスなのか?
塗装したいユニットバスが、洗面台や便器がついている3点式ユニットバスであった時でもチェックポイントがあります。
12-1.便器と洗面台自体は陶器製なので塗装がイマイチ
便器と洗面台というのは陶器製の物ですので塗装との相性はイマイチ。しっかりと定着させる事が難しいでしょう。もちろんその他の箇所はユニットバスなので
- 便器、洗面台はクリーニングか入替
- ユニットバス部分は塗装
という使い分けが3点式ユニットバスを塗装する時にはオススメです。
12-2.便器を撤去した後の穴
もし便器は別のところに移したい場合。ユニットバス塗装のプロであれば、元々便器があった部分の穴を塞ぐことが可能でしょう。本記事の別の項でも少し触れた、「FRPライニング」と呼ばれる技術です。
塗装+FRPライニングでユニットバスを綺麗にし、トイレを別のところへ移せば費用は少なく済むでしょう。
13.賃貸で借りている物件のユニットバスを塗装しようとしていないか?
おそらく無いとは思いますが念のため。もしも賃貸で借りているマンション・一軒家にお住いの方で、自分でユニットバスに塗装しようとしている方。はっきり言います、やめましょう。
オーナーさんに無断でやる事はもちろん、承諾を得ていたとしてもアナタがよっぽど経験のあるユニットバス塗装のプロでない限り、待ち受けているのはトラブル以外ありません。もし失敗し弁償するにしても十数万~百数十万円は払う覚悟が必要です。
14.ユニットバスの塗装をプロに任せる場合は良い業者の見分け方を知っているか?
最後に、ユニットバスの塗装をプロに任せようという方は多いです。ですが「塗装なんだから、塗装屋さんに頼めば大丈夫だろう」と勘違いをしてしまう方が多いのも事実。ユニットバス塗装の良い業者の見分け方、ご存知ですか?
14-1.ユニットバス塗装の良い業者を見分けるポイントとは
- ユニットバス塗装専門の業者である
- ユニットバス塗装に関して最低5~6年以上のキャリアがある
- 塗装の色を変えられる
- 浴槽の底、床などに穴を開けてもまた塞ぐことが出来る
- 行った塗装に対して何年かの保証を出している
上に挙げた5つがポイントです。加えて、ユニットバスの塗装事例を見せてもらえると尚良いでしょう。
このチェックポイントについて詳しく掘り下げてご説明している、浴室塗装|プロが教える利点と事例+失敗しない業者を選ぶ6つのコツも併せて読むとより見極めが出来ます。
まとめ
ユニットバスの塗装は大したことが無いように思われていたかもしれません。ですがユニットバスは元々塗装が難しい上に、水回りでトラブルが発生しやすい場所。塗装を施す時には念入りなチェックが欠かせません。最低限この記事で書いたことは確認しておきましょう。