バスルームのリフォームをお考えの方には、何か解決したい問題や目的があるはずです。
- ひどい汚れが気になっている
- バスルームの大きさを変えたい
- とにかく素敵なバスルームにしたい
例えば上で挙げた3つはバスルームのリフォームでよくある目的です。しかしこの3つ、実は全く違うリフォーム方法で解決できる場合があります。お風呂リフォームでは「ユニットバスでのリフォーム」が一般的です。ただ、全てが全てユニットバスのリフォームで満足いくとは限りません。
目的によってリフォーム方法・気をつけるべき点が異なるかもしれないのです。何回かバスルームのリフォームを経験されている方であれば自身でポイントに気付けるかもしれません。ですが、これから初めてリフォームされる方は失敗しないように注意が必要です。
そこで本記事では、失敗しないように「バスルームリフォームでの要検討ポイント」をお話しします。あとで「これを知ってさえいれば…」と後悔しないよう、しっかりポイントを抑えてください。
目次
1.本当にバスルームのリフォームが必要なのかを知る5つのチェックポイント
まず最初に確認しておきたいのは「そもそも本当にバスルームのリフォームが必要なのか」という事です。「リフォームをしようかな」と思ったキッカケ、抱えている問題点によっては他に有効な解決策があるかもしれません。順に見ていきましょう。
ポイント1.バスルームの汚れが気になっている場合
染み込んでしまって取れない浴室の汚れや黒ずみ、気になりますよね。ただ「これはひどい汚れだから、リフォームするしか…」そう思うようなモノでも、実はプロから見たらクリーニングで充分対処できるケースが結構あります。
例えばタイルの目地の黒ずみは市販のカビ取り剤でも綺麗にできるでしょうし、見た目がひどいカビでも案外綺麗に出来たりします。汚れが気になる場合、まずは一度クリーニング業者に相談してみるのも手です。ただし以下のようなクリーニングには注意が必要。
- 強力な薬品でのクリーニング
- 物理的に擦ったり削ったりして落とすクリーニング
このようなクリーニングは一度綺麗になっても、表面が傷むために汚れが付着しやすくなる可能性が高いのです。クリーニング後には早い段階で透明コーティングをして保護をするのも有効です。しかしクリーニングしてもやっぱりすぐ汚れが付いてしまう場合には、浴室塗装やユニットバス入替リフォームが良いかもしれません。
ポイント2.バスルームのどこかにキズやヒビなど損傷がある場合
バスタブやタイルに出来てしまったキズやヒビ割れ…。使用年数が経っていると、ハッキリと目に見えなくとも浴槽の表面には細かいキズがついているものです。細かいキズは、そこに汚れがたまりやすくなり、クリーニングしてもすぐにまた付着してしまいます。もしキズやヒビだけを直せればいいと思っている場合、バスルーム全体を入れ替えてリフォームするのは勿体無いかもしれません。以下の手段でも対処が可能です。
- ユニットバスのバスタブなら補修+塗装
- タイルや床などなら補修+パネルや床シート
もし塗装を検討するならば、かなり専門的な技術が必要です。DIYや普通の塗装屋さんに頼むのは避け、浴室塗装専門の業者に頼みましょう。
ポイント3.浴室やバスタブのサイズをリフォームで大きくしたい場合
- 元々せまい浴室を大きくしたい
- 自分や子供の背に合わないからバスタブのサイズを大きくしたい。
- 何か機能を加えたい、拡張したい
このような場合はリフォームをするメリットが大。またお家に高齢者の方がおられ、浴室内の段差などが気になるといった場合もリフォームが有効です。ただ、求める事によってバスタブだけ入れ替えれば良いケース、浴室全体を入れ替えた方が良いケース等ありますので「自分は何が目的でリフォームをするか」をよく考えておきましょう。
ポイント4.水漏れや欠陥など、構造に問題がある場合
水漏れや何か重大な欠陥があるなど問題が起こっている場合、放置しておくと浴室だけでなく建物全体に影響を及ぼす可能性が高いです。出来るだけ早く対処した方が良いでしょう。その場合、リフォームと工事をオススメします。しかし建物自体の構造によってはリフォーム自体難しいというケースもあります。そういった時の選択肢はいくつかありますが、後述の“5.もし入替ではリフォームが出来ないと言われたら”でご紹介します。
ポイント5.とにかく素敵なお風呂にリフォームしたいと思っている場合
よくテレビで見るような綺麗で素敵なお風呂に憧れており、とにかく素敵なお風呂にしたい! そんな時にはリフォームがピッタリです。求めるグレードや機能によって掛かる費用は違いますので、予算との相談となります。
ポイント5-1.自由度が高いのはユニットバスより在来工法
- 全面ガラス張りの浴室
- 木材が使われている温かみのある浴室
そういったお風呂に憧れている場合、ユニットバスでは物足りないかもしれません。というのも上記2つのようなお風呂は在来工法と呼ばれる、オーダーメイドのバスルームだからです。ユニットバスは大量生産を前提に作られているため、組立式の決まったカタチをしています。
自由度の高いお風呂を求めるなら、在来工法を選びましょう。業者によって3Dパース(完成予想のイラストみたいなもの)を用意してくれるところもあります。自分のイメージに合った浴室に仕上げてくれそうな業者を選びましょう。
2.バスルームをユニットバスにする時に気をつけたい8つのポイント
ここまでのお話を踏まえて、やっぱりバスルームをリフォームしたいとなった時。ユニットバスにする時には注意したいポイントがいくつかあります。難しい事ではありませんのでぜひ確認してみてください。
ポイント6.商品代とリフォームの工事代が別の時がある
ユニットバスのリフォームについての値段を調べている時、端っこに小さく「工事代・施工費別」などと書かれているケースがあります。これは「ユニットバスそのものの商品代とは別に、工事や撤去をするための代金が必要ですよ」という注意書きです。
実はユニットバスの商品代自体は意外と安かったりします。ですのでパッと見で「なんだ、安いじゃん」と思う場面も出てきます。しかし別で工事費用が必要だった…という勘違いが少なからず起こります。もし商品代以外の出費を想定していなかったとなると、後々のトラブルに繋がりかねません。
- 商品代のみなのか
- 工事費その他も一緒なのか
この2つは特にしっかりとチェックするように気をつけましょう。
ポイント7.リフォームでバスルームの壁を取り壊す時の注意点
まるごとユニットバスを入れ替える時、多くの場合、浴室の壁を取り壊す必要があります。もちろん業者に調査や見積りを依頼した際には「壁を取り壊す必要がありますよ」と一声あるでしょう。ただその費用は元々含まれている工事代とはさらに別、という事もあります。
そうなると「商品代と工事代でこのくらいだな」とあらかじめ想定していた予算を上回る金額が提示されることも少なくありません。カタログ等を見て、最初に自分で計算してしまうと実際の費用との差が出てきた時に尻込みをしてしまいます。また、もし壁を取り壊さずにリフォームをする場合、バスタブのサイズがどうなるかも注意してください。リフォーム前はピッタリ収まっていたバスタブがまた同じサイズになるとは限らず、小さくなってしまうケースもあります。小さくなってしまうのが嫌だと感じる場合は以下の対応が必要になるでしょう。
- やはり壁を取り壊す
- ピッタリのバスタブを探す
- オーダーメイドで頼む
ポイント8.見た目だけでなく使い勝手はよさそうか
カタログに載っている写真やイラストだけ見ても、いざ自分で使ってみると「想像と違った…」という事はあり得ます。
- モデルルームで展示されているユニットバスを体験する
- 可能であれば素足で乗ってみる
実際に使うことを想定して判断できるとベターです。
ポイント8-その1.機能性のあるバスタブ
ジェットバスやバブルバス、照明付きのバスタブなど、市場には様々な機能を備えた浴槽が出回っています。その機能は大変素晴らしいものです。ですがこういった機能性のあるバスタブは、最初は全く興味がなかった人でも、リフォームする時には気持ちが盛り上がって勢いで導入しがち。最初は面白がっていたのに、今ではほとんど使わない、という話も耳にします。一度よく検討しましょう。
また掃除の仕方や、入浴剤との相性など、日々の生活で支障が出ないかというチェックもしておきたいところです。
ポイント8-その2.床
最近は浴室の床もバリエーションが豊富になっており、機能は様々。
- クッション性のあるもの
- 断熱性が高いもの
- 水はけの良いもの
これらの特徴を併せ持つ床商品も増えています。床は直接足が触れたり、椅子を置いたり、水もよく付く箇所。忘れがちですがバスタブと同じかその次に重要な部分です。特にこだわりはないという方でも後になってやっぱり床にクッション性が欲しくなった、という事は珍しくありません。
もし「まあ床だけなら面積も小さいし、あとで簡単に工事やってもらえるよね」と思っているなら注意が必要です。床だけをリフォームする場合でも職人の人件費が発生するのですから、割と高い費用が発生するかもしれません。まとめてリフォームする時に床についても良く考えるようにしましょう。
ポイント8-その3.手すり
高齢者がいらっしゃるなど、安全な入浴のために手すりが欲しい時があります。実際にその手すりを利用する方がモデルルームなどで試してみると良いですが、なかなか難しいかもしれません。
その時、「とりあえず手すりは後から自分達でつけよう」とするのは少し危険が伴います。手すりを壁に固定するのは意外と簡単ではなく、プロでない方がつけた場合、支える重みに耐えられずに外れてしまう可能性があります。安全のためにつけたはずの手すりが、そういったアクシデントを招きかねません。まとめて入れ替える時は手すりも出来るだけ一緒に取り付けてもらうようにしましょう。
ポイント9.配水管廻り
バスルームのリフォームをする時は配水管のことも気をつけなければいけません。特に以下の場合は注意が必要。
- 老朽化によってバスルーム下の排水管にヒビや割れで水漏れが起こっていないか
- 建物自体の排水管にも水漏れが起こっていないか
- 今現在でなくとも近い将来水漏れが起こりそうではないか
バスルーム下の排水管廻りは大抵塩化ビニールで出来ており、耐水性能が高くなっています。しかしマンションなど建物自体の排水管は以前は鉄製が多く、長年使われた排水管はサビによって破裂しやすくなっています。その鉄製の排水管をリフォーム時に見逃していたばかりに、リフォーム後わずか数年で修繕のために取り壊さなければならなかったという事例もあるようです。そんな事にならないためにも、バスルームだけでなく建物自体の配水管廻りについても充分チェックしましょう。
ポイント10.リフォームの期間中どうするか
リフォームの工事期間中、あなた、つまり依頼者側がどうするかという注意点です。まず確認しておきたいのは、工事期間がどのくらいなのか。2日で終わる工事もあれば、7日掛かる時もあるでしょう。
- その期間中ずっと家にいるか
- 家にいる場合、入浴をどうするか
工事期間の長さによってあらかじめ想定しておきたい事が出てきます。リフォーム中は親戚の方のお家に行く、入浴は銭湯を利用するなど、どうするか考えておきましょう。
ポイント11.ユニットバスの工事費用や流れについて
ユニットバスの費用や流れについては「ユニットバスリフォームの必須知識|優れた点・費用工程その他」でご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
3.上手くリフォーム業者選びをするためのポイント
ここまででリフォーム時に気になるところをお話ししてきました。ただ、住宅リフォームではなかなか良い業者の判断はしにくいもの。実のところ不動産屋さんやリフォーム業者であっても迷います。
これが何も知らないユーザーとなると尚更です。そこでこの項では少しでも良い業者を探すためのポイントをお話しします。
ポイント12.不動産屋さんからリフォーム業者を紹介してもらう
ひとつ目は自身がお世話になっている不動産屋さんに良い業者を紹介してもらうという事。はじめに「不動産屋さんでも判断は難しい」と書いたばかりですが、それ故にリフォームのことに関しては慎重です。大切なお客さんに関わる事ですので、不動産屋さんも下手なところを紹介してしまうと自らにとっても不利益に繋がります。
不動産屋さんの紹介の場合、ハズレ業者を引く可能性は極めて低くなります。
ポイント13.リフォームの見積りサイトを利用する
リフォームの見積もりを複数出してくれるサイトを利用してみるのも手です。こういったサイトに登録しているリフォーム屋さんは競合他社と比較されると分かった上で利用しています。適正な価格、他に負けない企業努力を行おうという心構えの企業である可能性があります。
ポイント13-その1.ただし見積比較サイトだからといって油断は禁物
ただし、良さそうな見積比較サイトだからといっても油断は禁物です。まずそもそも何故、見積比較サイトというものが存在しているのでしょうか。それは当たり前ですが「ビジネスがしたいから」です。
ポイント14.自分で検索してリフォーム業者を探す
さて前ふたつで不動産屋さん、見積もりサイトについて書きましたが、そのどちらも共通の欠点はあります。
それはその人、サイトが知っている、あるいは登録されている業者しか紹介できないということです。もし良い業者がいなさそうだなと感じた場合、自分で探してみる事も出来ます。今ではインターネットが普及しているのでネット検索をすれば、業者はたくさん出てきます。本記事でご紹介したポイントを参考にしながら、検討してみましょう。
4.もしユニットバス入替ではバスルームのリフォームが出来ないと言われたら
スムーズにリフォームが進めばそれに越したことはありません。ですがもしもユニットバスを入れ替える工事が出来ないと言われてしまったら…? そんな時の対処法をご紹介します。
ポイント15.大々的なリフォーム・工事を行う
「出来ない」という言葉には以下の2つのニュアンスがあります。
- 全くの不可能
- かなり難しいが、出来る
このかなり難しい、というのはリフォームをするには浴室だけでなく、建物自体の増築であったり改造が必要だという場合がほとんど。もしそういった大々的な工事であっても構わないという場合はリフォームをする事ができるでしょう。ただし費用は百数十万~数百万円は掛かると覚悟した方が良いかもしれません。
ポイント16.現状のまま綺麗にする方法を探す
ユニットバスに入れ替えるリフォームの他にもバスルームを綺麗にする方法はいくつかあります。
- 浴室塗装
- 壁パネル
- 床シート
- 壁と床の間のサビ処理
- ドアカバー工法
こうした工法はあまり一般には知られていませんが、確かに存在するバスルームリフォームの「奥の手」です。詳しくは「入替せずにマンション寿命を延ばす風呂リフォーム奥の手6つ」をご覧ください。(※マンションとタイトルにありますが、一軒家でも通用します。)
ポイント17.優秀なユニットバスリフォームの業者を探してみる
ユニットバスは商品の特性上、リフォームがしやすい商品です。そのため、技術のあるリフォーム業者とそうでない業者では違う答えを出す時があります。
つまり、実は技術のない方に「入れ替えできない」と言われただけで、得意なプロだとリフォームできる可能性があるかもしれない、という事です。詳しくは「ユニットバスの測り方とサイズが原因で入替出来ない時の対処法」 の後半をご覧ください。
5.まとめ
バスルームのリフォームをする時、何も考えていないと満足のいく結果を得にくいです。これからバスルームのリフォームを考えている方は本記事を踏まえ、改めて「一体何が目的でリフォームをするか」を考えてみてください。そうすれば失敗する可能性はグッと低くなるでしょう。